安価なものが簡単に手に入る時代。 海外のものが簡単に手に入る時代。 だからこそ、本当に質の良いものを大切に使いたい。 だからこそ日本のものを見直していきたい。 経験に裏付けられた職人の技術。 手間を惜しまず、真摯に素材と向き合っていく。 無機質なアルミ定規と組み合わされた、こだわりの素材と技。
丹精込めて育てた国産のい草を半日もの時間をかけて、初夏の水田を思わせるような青々とした色に染め上げていく。 古くから日本の生活に根ざした畳のほのかな香りや手ざわりが、安らぎを感じさせる。
藍で染めた5色の糸で独特の縦縞を織っていく松阪木綿。江戸時代には松阪商人によって江戸に広められ、松阪木綿の着物を着ることは「粋」とされた。 今や一軒のみとなった織元がマツサカの文化を守っている。
15年以上寝かせた青森産のヒバ材に「べんがら」という顔料で色をつけた漆(うるし)を塗る。 漆が乾かないうちに、布で拭き取るように塗り込んでいく拭き漆の技法は、素材の木目を際立たせる。
箱根寄木細工発祥の地、畑宿。山の中の小さな工房で、若い職人が伝統に新しい風を吹き込んでいる。 規則正しく並ベられた木々がそれぞれの色を主張している。
箱根寄木細工発祥の地、畑宿。山の中の小さな工房で、若い職人が伝統に新しい風を吹き込んでいる。 定規に合わせてイメージした、直線的なデザイン。
鋳型に溶けた金属を流し込んで作られる鋳物。高岡は江戸時代に鋳物産業が始まった。 砂で作った鋳型に、加工が難しいとされる純度100%の錫(すず)を流し込んでいく。錫がはめ込まれた定規には、ずっしりとした重みが加わる。